地域に根ざしたお店がやってはいけない事とは
今回は年の初めという事ですので、
2014年にアドバイスさせていただいた数々のお店の診断結果をふまえ、
地域に根ざした個人店や専門店が「やってはいけない事」を私なりに書いてみたいと思います。
- (1)「普段使いのお店」になってはいけない
- (2)「安い!早い!(それなりに)ウマい!お店」になってはいけない
- (3)「いつでもだれでも大歓迎のお店」になってはいけない
我が国は人口が減っています。今後もずっと減り続けます。
つまり、日本の胃袋は小さくなるばかりです。
そして、コンビニ、飲食宅配、ケータリング、お取り寄せなど
飲食店以外の「飲食サービス」が、質・量ともに充実してきています。
冷暖房完備やキッチン周りなど、住環境の進化も飲食店には逆風です。
日常的な家飲みや、ホームパーティの頻度はアップするばかりです。
今後「飲食店で外食する」という行動は、「娘の誕生日だから」「同窓会だから」「デートだから」
といったようなイベントごとでもない限り、わざわざ外食をしなくなる傾向にあります。
私がおつきあいしているお店を見ていると、明らかです。
わざわざ行くお店、特定のニーズにだけ対応したお店は、業績好調です。
【事例1】顧客層を絞って売上アップ!
私がお会いした頃、「美味しい小料理屋さん」だったお店は、毎月収支トントンのお店でした。
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コース中心の「くずし懐石」のお店に転換していただき、儲けの出るお店に。
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さらに最近、完全予約制、料理はおまかせのみ、お酒は日本酒のみのお店にして、
もっと儲かるお店になりました。
もちろん、料理のレベルやおもてなしのレベルの高さがあってのことですが、いわば“使いにくいお店”になればなるほど、客単価も売上もあがり、ファンも増えました。今時の地域に根ざした飲食店の勝ち方はここにあります。
【事例2】ハレの日に行きたいレストランへ方向転換
絶品のフレンチレストランは、赤字と黒字を行ったり来たりのお店でした。
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安い店に客を取られていると感じたオーナーは、小皿料理を増やしてバル的な要素のお店に転換。
客数は増えず客単価が落ちて毎月赤字になりました。
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バル的なメニューをやめ、“特別な日に予約して行くお店”というコンセプトで
コース料理を充実していただき、徐々に回復に向かっています。
このお店、もっと早くにお会いしていれば、傷は浅くてすんだことでしょう。