マッチングプラス

失敗しない!出店ナビ
29 安ければ売れる?陥りやすい「価格のワナ」

土屋薫氏

集客UP塾 塾長
日経レストラン「悩み解決クリニック」専任アドバイザー
個店・専門店等、中小規模の既存店の業績アップに数多くの実績を持つ

生き残ったお店はどっち?

私が過去にアドバイスさせていただいたお店の中から、みなさんの参考になると思われる事例を紹介する“集客アップ実況中継”。

今回は、同じ立地にほぼ同時期に出店した、2軒のお弁当屋さんの話。

A店は、持ち帰り弁当店。価格帯は300円から600円くらいまでという商品ラインナップ。
お手軽、リーズナブルというコンセプトを打ち出したお店です。

B店は、とんかつメインの宅配店。ロースカツ御膳、ヒレカツ御膳などが売れ筋で、価格帯は1,000円からと、ややお高めです。

私がご相談を受けたのは、B店の方です。最初は苦戦されていました。
近所にできたA店はオープン景気でにぎわっていました。

そして、オープンから約半年後、明暗がはっきり分かれたのです。

世の中は決して好景気ではありません。先行きも不透明です。特に地方は景気が回復したとはお世辞にも言えない状況です。まだまだ“デフレ”傾向は多くの商品やサービスで見られます。

しかし、支持されたのは1,000円からの「とんかつ宅配店」でした。
なぜ“安い弁当”が売れなくて、“高めのとんかつ”が売れたのでしょうか?

同じ立地で、オープン時期も同じ。市場環境は同条件といえます。
味はどうか?どちらも価格に見合ったクオリティはありました。
そして、どちらも個人の方が新規開業されたお店。知名度は同じ(ほぼゼロ)です。

ではどこに違いがあったのでしょう?