マッチングプラス

失敗しない!出店ナビ
33 「意外といいね」の落とし穴

土屋薫氏

集客UP塾 塾長
日経レストラン「悩み解決クリニック」専任アドバイザー
個店・専門店等、中小規模の既存店の業績アップに数多くの実績を持つ

遅すぎる情報共有…チャンスを逃した結果は

私が過去にアドバイスさせていただいたお店の中から、みなさんの参考になると思われる事例を紹介する“集客アップ実況中継”。

今回は、私の身近に起こった、残念な例を2つほどお話したいと思います。

一つ目はまず、あるチェーン店の話。名前を聞けば、多くの方が知っている有名店での事です。
そのチェーンの某店に知り合いがいたので、話が聞けました。

ある時、そのチェーンがテレビの情報番組で紹介されることになったのです。
某店はチェーン全体の業績平均を下回っていたお店。
しっかり準備ができていれば、業績を立て直すいいきっかけになったかもしれません。

しかし、その話がお店に伝わったのは、なんとテレビで放映される前日の夕方でした!
(この点、本部にも言い分はあるでしょうが、どうあれ、オンエアの前日までお店に伝わっていなかったというのは問題です)

全国ネットの人気番組で取り上げられるのですから、増客は確実です。
いつものスタッフだけでは、とても対応できるものではありません。
シフトが入っていないスタッフなどに大慌てで連絡したものの、今日の明日では限界がありました。通常の人数で対応するしかありません。

案の定、翌日は、一時は行列ができるほどの来客。
本来、喜ばしい事ですが、お店の中は戦争状態です。
スタッフは、額に汗をし、目を血走らせて店内を駆け回っていました。

閉店してしまった某店。事前に情報を把握していれば、売上増加につながったはずです閉店してしまった某店。事前に情報を把握していれば、売上増加につながったはずです

お客さんはお待たせするわ、オーダーミスが続出するわ、で大混乱。
怒って帰られたお客さんも出てしまったほど。
事前にきちんと情報が伝わっていて、しっかり準備をしていれば、いい状態でお客さんをお迎えできたはずです。

しかし、今回のような状況だと、お客さんの評判も現場の士気もダウンします。
そして、もっと売上を作れるチャンスをみすみす逃してしまっている。

非常にもったいない話です。
この某店は、今はもうありません。