マッチングプラス

飲食店の多店舗展開マネジメント

03 抱え込み経営のカベ
Profile 廣瀬 好伸(ひろせ よしのぶ)

公認会計士・税理士
株式会社ビーワンフード 代表取締役
飲食業に特化した「お金の専門家」として幅広くコンサルティングを行う。
飲食店経営者・店長向けに、セミナーや研修も数多く実施。
著書に『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル: 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』。

多店舗展開に近いのは、どっち?

Aさんの例

居酒屋を3店舗経営するAさん。
やっと少しずつ現場を離れて、徐々にスタッフに任せられるようになってきました。
それとともにだんだん自分の時間にも余裕が出てきたので、いままで奥様に任せっきりだった事務作業を自分でやるようになりました。
ただ、慣れない作業である上に、特に得意でも好きでもない仕事なので、どうしてもストレスがたまっていきますし、余計な手間と時間がかかります。
「外注すると費用がかかるし…」と、少しでも費用を抑えようと奮闘しています。

Bさんの例

居酒屋を4店舗経営するBさん。
3店舗まではほぼ毎日どこかの店舗の現場に入っていましたが、4店舗を出店してそれが落ち着いてきたのをきっかけに、各店舗はほぼ店長に任せていくことにしました。
さらに、それまで事務作業も自分でできる限りやっていましたが、これも逆にできる限り外注することにしました。
それとともに自分の時間にもかなりの余裕ができて、いままで同様、他店舗の研究に加え、多店舗展開に向けた人材採用や人材教育の仕組み化、財務戦略の立案と実行を各専門家とともに取り組んでいきました。

AさんとBさん、どちらが「多店舗展開」に近いでしょうか?

おそらく「Bさん型」でしょう。

ただ、現実的には「Aさん型」のような“抱え込み経営”を行なっている会社が多いように感じます。