マッチングプラス

飲食店の多店舗展開マネジメント

10 税金対策のカベ
Profile 廣瀬 好伸(ひろせ よしのぶ)

公認会計士・税理士
株式会社ビーワンフード 代表取締役
飲食業に特化した「お金の専門家」として幅広くコンサルティングを行う。
飲食店経営者・店長向けに、セミナーや研修も数多く実施。
著書に『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル: 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』。

いくつもある経営指標

今回は税金対策=節税とキャッシュフローとの関係についてお話させていただきます。

本題の前に、前回までのおさらいをさせていただきます。
第7回「決算書のカベ」では、次のようなことをお話しました。

①銀行はみなさんの会社の決算書をもとに、その数値を銀行システムに登録する。

②登録した結果、みなさんの会社の経営指標が計算される。

③その経営指標と銀行基準値とが比べられて点数化される。

④その結果、おおよそ1から12個くらいのランクにランキングされる(銀行格付け)。

⑤その銀行格付けによって、「借りられるか借りられないか」「どれくらい借りられるか」「金利や返済期間といった条件」が決まってくる。

ここで言う経営指標とは、第8回「貸借対照表のカベ」や第9回「損益計算書のカベ」でお話させていただいたような指標です。
それぞれの記事で取り上げた経営指標以外にもたくさんの経営指標が存在し、そういったたくさんの経営指標について、みなさんの会社の数値が計算されて、上記の通り、点数化されていくという流れです。

さて、「たくさんの経営指標」と申し上げましたが、たとえば、代表的なものとして

◆自己資本比率(自己資本額)

◆経常収支比率

◆流動比率

◆固定長期適合率

◆債務償還年数

◆総資本経常利益率

◆売上高経常利益率

◆売上高増加率

などです。
もちろんこれ以外にもありますし、銀行によってどの経営指標を利用しているかは異なります。