ケーススタディ:あなたのお店の“売り”はなんですか?
【事例】人口約25万人の中規模都市の個人経営の居酒屋
刺身、煮つけ、焼き魚など、魚料理中心のオーソドックスな居酒屋さん。
料理も雰囲気もなかなかいいお店です。
以前は順調だったのですが、競合店の進出で客数も売上も長期低落傾向にありました。
ご主人は無類の魚好き。「海の魚なら、どんな魚でも一番美味しい食べ方を知っている」と
豪語するほど魚に詳しい方です。
しかし、「お店の“売り”発見シート」に書いていただいた答えは、
メニューとしての売りは?
・種類豊富な魚料理
・昔の食卓にあった基本的な料理
仕組みやサービスの売りは?
・特になし
キャラクター・個性からの売りは?
・アットホームな店づくりを心掛けている
とのこと…
これでは弱い、といいますか、お店ならではの“売り”とは言えない内容です。
せっかくのお店の魅力がきちんと表現されていません。
まずは、もっと具体的な内容にしていくことが必要です。
例えば、
- 「種類豊富な魚料理」→「常時○○○種類の魚料理」
- 「昔の食卓にあった基本的な料理」→「昭和の食卓を再現」
- 「アットホームな店づくり」→「もう一つのわが家」
こんなふうに具体的な言い方に変えるだけで、ずいぶん魅力が伝わりやすくなると思います。
さらに、こうやって整理していくと、お店ならではの売りは“ご主人の魚好き”がベースにあることが分かってきました。
ご主人が魚好きで魚に詳しいからこそ、
・豊富で美味しい魚料理の提供が可能
・魚料理中心の昭和の食卓を再現できる
つまり、このお店の“売り”は
昭和に子供だった世代がわが家と思える「魚料理のお店」なのです。
このお店は、その後、
- ・魚博士〇○ちゃん(ご主人)のおまかせ活造り
- ・魚博士〇○ちゃん直伝!魚料理を美味しく食べるコツ
といったように、具体的なメニューやサービスで、ご主人のキャラクターを前面に打ち出し、
魚が美味いノスタルジックな居酒屋として、中高年層の支持を徐々につかむことに成功。
長期低落に歯止めがかかりました。