マッチングプラス

失敗しない!出店ナビ
33 「意外といいね」の落とし穴

土屋薫氏

集客UP塾 塾長
日経レストラン「悩み解決クリニック」専任アドバイザー
個店・専門店等、中小規模の既存店の業績アップに数多くの実績を持つ

ファサード一つで来客数が変わる

もう一つ残念なお店の話。
そこは、ある地方出張の際に訪れた、美味しいと評判の蕎麦屋さん。

お昼時、評判の蕎麦を食べようということになり、土地勘のある地元の方に連れて行っていただいたのですが、入り口付近で思わず立ち止まってしまいました。

なんと、まったく営業している気配がないんです。

「あれ?今日定休日だったっけ?」
案内してくださった方も困惑顔でした。

ビルの1階の店舗でしたが、営業中かどうかのいわゆる「表札看板」はない。
もともと店内が見えないつくりになっているので、中の様子も分かりません。
店頭看板やのぼりの類いもまったくありませんでした。

でもせっかく来たのだから、とにかく入り口の引き戸を開けてみたところ…
するすると開きました。

店内の様子が分かりにくいぶん、お店の情報を伝えるファサードはかなり重要な存在です店内の様子が分かりにくいぶん、お店の情報を伝えるファサードはかなり重要な存在です

賑わいのある店内。「いらっしゃいませ」の明るい挨拶。外とは大違いでした。
蕎麦は、評判どおりの味!しかし、お昼のピークタイムでしたが、満席とまでは行かない様子。

この場所で、この味で、この価格ならもっと人気があってもいいはずなのに…原因はやはり、お店のファサードでしょう。

私たちが躊躇したのはほんの数秒ですが、その数秒で、店前を通る人の何割かは、休みかも、と判断して他のお店に行ってしまったと思われます。