マッチングプラス

飲食店の多店舗展開マネジメント

05 だるま理論でお金のカベを乗り越える
Profile 廣瀬 好伸(ひろせ よしのぶ)

公認会計士・税理士
株式会社ビーワンフード 代表取締役
飲食業に特化した「お金の専門家」として幅広くコンサルティングを行う。
飲食店経営者・店長向けに、セミナーや研修も数多く実施。
著書に『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル: 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』。

そして、攻める!

足腰をしっかり鍛えていれば途中でリタイアすることなくマラソンを完走できますし、チャレンジングなタイムを目指していくことも可能です。
同じように、財務基盤を強化できれば、途中で倒産することなく、みなさんの夢、たとえば多店舗展開を実現することができますし、それをスピードアップしていくことも十分可能です。
だるま理論でしっかり土台をつくったら、次は、「新規出店する」「人材教育に投資する」「新しい販促を試してみる」など、やりたいことをどんどんやっていく、攻めていくステージです。

ここで特に注意していただきたいのが新規出店です。

  • 手元資金/融資/リース/割賦のどの方法で資金調達して出店するのがいいのか
  • 融資/リース/割賦はどんな条件ならいいのか
  • 新規出店するには既存店でどれくらいの利益を出していなければならないのか

こういったことに十分すぎるほどに注意しなければならない理由は、やはり飲食店の出店は投資額が多額だからです。
多額ということは、失敗した時の痛手が大きい、そして、それを既存店でカバーできなければ会社が倒産するということにもなりかねないのです。
実際、新規出店に失敗して倒産するという事例が後を絶ちません。

このように「だるま理論でお金のカベを乗り越える」ためには、「データ・マネジメントのカベ」「資金調達のカベ」など、さまざまなカベを乗り越えていかなければならないので、これからの連載で詳しくお話していきたいと思います。