決算書からランキングをつける
では、銀行ではこの決算書をもとにどういった判断をしているのでしょうか。
銀行では、みなさんの会社を決算書をもとに「格付け」します。
つまり、おおよそ12から15ほどのランクにランキングしているのです。
銀行によって多少違いはありますが、こういった方針は金融庁が定めているところでもあるので、エッセンスとしてはどこも同じようなものです。
たとえば、こんな感じです。
- ランク1銀行としてはリスクがないレベル
- ランク2銀行としてはリスクがほぼないレベル
- ランク3銀行としてはリスクが小さいレベル
- ランク4銀行としては平均的なリスクよりも少し良いレベル
- ランク5銀行としては平均的なリスクのレベル
- ランク6銀行としては平均的なリスクよりも少し悪いが許容できるレベル
- ランク7財務内容がよくない、または業況が不安定で、銀行としては注意しなければならないレベル
- ランク8財務内容が悪く、返済の延滞が発生している等、銀行としては相当注意をしなければならないレベル
- ランク9ランク8のうち、延滞が続いている、リスケジュールをしている等、銀行としてはさらにしっかり管理していかなければならないレベル
- ランク10経営破綻におちいる可能性が大きいレベル
- ランク11実質的に経営破綻におちいっているレベル
- ランク12法的・形式的に経営破綻の事実が発生しているレベル
※リスクというのは、銀行として、みなさんの会社にお金を貸したのに返ってこないリスクです
もちろんランク1が一番良くてランク12に向かって悪くなっていきます。
ランク1からランク6の間にあれば、「借りることができる(必ず希望通りに借りることができるかは別)」状態です。当然、ランクが良ければ良いほど借りやすくなりますし、条件面(金利や期間など)も良くなっていきます。
ランク7は、いまお付き合いのある銀行であれば借りることができる可能性がありますが、決してその可能性は高くはなく、相当低い確率となるでしょうし、これからお付き合いをしようとする新規取引銀行であれば、ほぼ借りることは不可能でしょう。このランクは、決算書上、「赤字になっている」「繰越欠損がある」「債務超過になっている」状態であることが多いです。逆を言えば、たとえば、毎年の積み上げとして、「1円でもいいので黒字にする」ことが大切になってくるでしょう。
ランク8より下は、まず借りることはできないでしょう。たとえば、毎月の返済が契約上100万円のところ、資金繰りが苦しいのでそれを減らす、または返済をストップする(リスケジュールといいます)ということをしていればランク8以下になりますが、再び借りることができるようになるためには、まずはそれを解消し、元通り(当初の契約通り)の返済に戻すことが必要です。
こういったランキングが決算書に基づいて決定されます。
そのランキングに基づいて「資金調達ができるか」「どんな条件で資金調達ができるか」が決まってくるので、決算書が大切だということです。