借りることができたらOK…ではない!?
このように、みなさんの会社の決算書の数字を銀行のシステムに登録すると、いろいろな経営指標が計算され、その内容が分析されて、ランキングが決定されるのですが、この「経営指標」は、自己資本比率、売上高経常利益率、売上高成長率など、一般的によく知られているものもあれば、総資本経常利益率、債務償還年数など、あまり知られていないものもあります。
こういったいくつもの「経営指標」の結果をもとに「格付け」が決まってくるので、「どれくらいの利益を出せばいいのか」「出店のタイミングはいつがいいのか」「借入とキャッシュ・フローのバランスはどうすればいいのか」など、全体としてこれらの経営指標をどうやって改善していくかが重要になります。
私の経験上、世の中の決算書はこういったことに注意しながら作られていることが少なく、「税金がいくらになるか」といった視点中心になってしまっていることが多いです。
弊社の統計でいえば、決算書が100個あれば、そのうち95個はこの「格付けを上げる」という視点からすれば間違った作り方になってしまっています。つまり、みなさんの決算書も知らないうちに損をする作り方をしてしまっているかもしれません…。
このような感じで「借りられるか」「借りられないか」が決まってきます。
そして、その他の融資条件(借入期間や金利など)もこの「格付け」が基準となってきます。
格付けが上がってくれば、(もちろんそれだけでもダメですが)社長の連帯保証を外すことも可能です。
つまり、この「格付け」が高いということは「資金調達力がある」ということであり、みなさんが希望する条件で借りられる可能性が高くなるということです。
ぜひこれを機会にご自身の決算書の見直してみてください。
そして、「借りられたらいい」というものではなくて、たとえば新規出店時の融資であれば「いい条件、つまり、その新規出店が失敗しないために必要な条件で借りる」ことが必要なのです。