【人口10万人弱の地方都市にある個人店】の場合
和食の板前さんだった方が立ち上げたお店です。
地方のお店らしく、お寿司や活造りから、お好み焼き等の鉄板メニューや
定番の居酒屋メニューも取りそろえた、食のよろずやさん的なお店。
席数も80席と大きく、大人から子供まで楽しめて、しかも美味しい。
価格も良心的…という事で、以前は地域一番店でした。
しかし、(パッと見は)安い割引を核にしたセールなどを頻繁に仕掛けてくる他店の進出によって、
みるみるお客をとられてしまったのです。
そんなある年の秋、忘年会をどうするかでご相談がありました。
チラシの原案を見せていただいたのですが、私は即座にダメ出し。
そこに並んでいたのはまさに、
「全○品、○○分飲み放題付、○○○円!」
というあの“悪魔の呪文”だったのです
「この辺りは田舎だから安くしないと…」
ご主人はしきりにそうおしゃっていました。
しかし、お客さんの全員が品数や安さだけで選んでいるわけではありません。
お店がそれ以外の情報を発信していないから、他に判断基準がなくて、
やむなく選んでいる人もいるんです。
このお店では忘年会という言い方をやめてもらいました。
敵の土俵で戦うべきじゃありません。