基本に立ち返ってリスタート
まずはメニューと顧客の分析。
原価はまずまず合格。看板メニューもありました。
問題はお客さんです。安売り割引きに走って約2年、既存客の8割近くがいなくなっていました。
相談の結果、相当な荒療治をすることで合意。
じっくり取り組んでいただくのが、リスクの少ない方法ですが、このお店に残された時間はあまりありませんでした。
やったことは、以前のお店以上の“お客さんが心からくつろげる隠れ家”を、もう一度目指すこと。
いわばリスタートです。
そこでこのお店は、一見高飛車とも思えるルールを打ち出し始めました。
「早い・安い料理が食べたい人は他へどうぞ」
「飲み放題が希望なら他のお店へ行ってください」
「大人数の宴会お断り!」
「静かにできないお子様はお断り!」
などなど。
これらの注意事項を、ホームページや店頭、ありとあらゆる場所でアピールしました。
業績はガタガタの時です。
一人でも多くの人に来て欲しいところです。
でもあえて、こういう“宣言”をしました。
そこには「二度と大切なお客さんを裏切らない!」というオーナーの“覚悟”が感じられます。
ここまで徹底するのは、なかなかできないものです。
明らかに売上は落ちます。悪口を言われたこともありました。
そして、安さにひかれて来ていた人はみるみるいなくなりましたが、ご無沙汰だった昔の常連さんが
少しずつ戻ってきてくれました。
さらに、お店本来のコンセプトに共感して来てくれる新しいお客さんも増えてきました。