お客さんの心をつかんだオーナーの一言とは?
業績が徐々に上向いてきた頃、お店のファンがさらに増えるきっかけとなった“事件”がおこりました。
ある夜のこと、店内にはいい雰囲気で楽しんでいた常連のカップルが2組。
お酒や料理がずいぶん進み、くつろぎの空間でまったりしていたところです。
そこに、5~6人のグループが入って来ました。
その時にオーナーのとった行動が、お客さんを一瞬にして、熱烈なファンにしてしまったのです。
オーナーは一言。
「すみません。もう予約でいっぱいなんですよ」
なんと、断ってしまったのです。
そのグループがお店を去った後、一人の常連さんが尋ねました。
「マスター、このあと予約入ってるの?」
「入ってないよ。だからゆっくりしてってよ」
「!!!」
全員が驚いた瞬間です。
今お店に来ているお客さんは4人。まだ席は充分空いています。
でも、10年以上このお店をやってきたオーナーは感じたのです。
(このグループは多分騒がしい…)
わざわざ来てくれた新規のグループを入れたい気持ちもあります。
でも、この状況ではオーナーはそうしなかった。
まさに、日頃宣言している、お店の厳しいルールに則った行動と言っていいでしょう。
「二度と大切なお客さんを裏切らない!」というオーナーの“覚悟”が、お客さんに伝わった瞬間です。