マッチングプラス

飲食店の多店舗展開マネジメント
01 どんぶり勘定のカベ

Profile 廣瀬 好伸(ひろせ よしのぶ)

公認会計士・税理士
株式会社ビーワンフード 代表取締役
飲食業に特化した「お金の専門家」として幅広くコンサルティングを行う。
飲食店経営者・店長向けに、セミナーや研修も数多く実施。
著書に『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル: 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』。

コラム:ABC分析とは?

売上高などを基準にして、商品をAからCまでの3グループに分類する手法。飲食店ではメニューを分析する際によく用いられる。売れ筋/死に筋を把握することで、メニューの改善に活かす。

<分類方法>
メニューごとの販売数と総販売数を集計し、それを販売数の多い順に並べ、総販売数に締めるメニューごとの販売数の割合(構成比)を上から順に加算していく。その構成比の累積が70〜75%付近で線を引き、90〜95%付近でもう一本線を引く。線で区切った部分を上からA、B、Cと区分。

(例)出数を指標にしたABC分析表※累計 〜75%:A 〜95%:B 〜100%:C

NO メニュー名 売価 原価 出食数 売上高 標準原価 原価率 売上高構成比率 累計 評価
1 Cランチ 1,300 400 14 18,200 5,600 30.8% 26.4% 26.4% A
2 Aランチ 900 300 12 10,800 3,600 33.3% 15.7% 42.1% A
3 Bランチ 1,100 300 9 9,900 2,700 27.3% 14.4% 56.5% A
4 生ハムサラダ 400 100 16 6,400 1,600 25.0% 9.3% 65.7% A
5 ハヤシライス 750 300 8 6,000 2,400 40.0% 8.7% 74.5% A
6 グラタン 800 300 6 4,800 1,800 37.5% 7.0% 81.4% B
7 タマゴサラダ 400 100 11 4,400 1,100 25.0% 6.4% 87.8% B
8 コーンスープ 200 100 20 4,000 2,000 50.0% 5.8% 93.6% B
9 カルボナーラ 700 200 4 2,800 800 28.6% 4.1% 97.7% C
10 クリームシチュー 800 300 2 1,600 600 37.5% 2.3% 100.0% C

各メニューの売上高、利益率、原価率、出数などのバランスを読み取って課題を把握し、イチオシ商品の入れ替えやレシピ原価の調整、メニュー変更などの解決策を打ち出せる。