マッチングプラス

飲食店の多店舗展開マネジメント

03 抱え込み経営のカベ
Profile 廣瀬 好伸(ひろせ よしのぶ)

公認会計士・税理士
株式会社ビーワンフード 代表取締役
飲食業に特化した「お金の専門家」として幅広くコンサルティングを行う。
飲食店経営者・店長向けに、セミナーや研修も数多く実施。
著書に『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル: 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』。

なるべく抱え込まずに、重要なことだけに集中しよう

社長の時間をつくったら、次は「その時間をなにに使うか?」です。

Aさんは外注すべき業務に時間を費やしました。
Bさんは未来への投資に時間を費やしました。

"時間を無駄にしているものを取り除いたならば、
新たに生じた時間を使って重要なことに集中しなければならない
成果をあげるための他のスキルはすべて、
この時間をマネジメントするというスキルと
重要なことに集中するというスキルが前提となる"
(ドラッカー)

"集中せよ
成長戦略は集中を要求する
成長戦略の最大の間違い、しかも最も一般的な間違いは
あまりに多くの分野で成長しようとすることである
成長戦略は、機会のあるところに的を絞らなければならない
自らの強みが異常なほどに大きな成果を生む分野に集中しなければならない"
(ドラッカー)

つまり、「重要なこと、得意なことに集中して、チャンスをいかしましょう」ということです。

Aさんの場合、月々5万円で外注できることを、毎日1時間つかってAさん自身がやっているとすると、Aさんは時給1,600円の仕事をしているようなものです。

社長がこのような生産性の低い仕事をしていては成長の機会を逃してしまいます。

それよりも、Bさんのように、店舗や会社全体のマネジメント、新規出店の商談、業務の効率化、人材採用や教育などの未来投資にあてたほうがより大きな利益を生む可能性が高いと言えます。

参考文献:
P.F.ドラッカー『プロフェッショナルの原点』ダイヤモンド社
P.F.ドラッカー『実践する経営者—成果をあげる知恵と行動』ダイヤモンド社