Bさんの例
同じく居酒屋を3店舗経営するBさんも、「今後も出店していきたい」と考えていましたが、もう少し具体的に、「5年後に20店舗にしたい」「そのために今年は2店舗出店しよう」と考えていました。
そんな中、ちょうどいい物件が出てきたので、その物件で出店することにしました。
総投資額は3,000万円です。
そこで、Bさんは取引銀行に対して「今年は2店舗出店する予定」であることを告げた上で「保証協会付き融資ならばいくら借りることができるか」「プロパー融資であればいくら借りることができるか」を確認し、リース会社に対しても同様に「今年は2店舗出店する予定」であることを告げた上で「いくらまでリースが組めるか」を確認しました。
取引銀行及びリース会社からは、「確約はできないけれども」という前提で、「保証協会付き融資なら3,000万円」「プロパー融資なら1,000万円」「リース枠は1,000万円」ならおそらく大丈夫でしょうという回答を得ました。
Bさんは手元資金をできるだけ使わずに出店したい(手元資金はいざという時のためにとっておきたい)と考えていましたので、総投資額を2,800万円に下げた上で、「保証協会付き融資1,500万円+プロパー融資500万円+リース800万円」でファイナンスを組んで出店することにしました。
その出店から半年ほどが過ぎ、その新店舗も落ち着き始めた頃、願ったり叶ったりのエリアにいい物件が見つかりました。
もちろんBさんは予定通り、この物件での出店を決めました。
こちらも同様に総投資額は3,000万円という見積もりが来ました。
そこでBさんは取引銀行に前回同様「保証協会付き融資1,500万円+プロパー融資500万円」、リース会社に800万円の申し込みをしたところ、取引銀行からは前回プロパー融資の実績ができたので、今回は「保証協会付き融資1,500万円+プロパー融資1,000万円ならば可能」という回答があり、リース会社からも「800万円は難しいが前回リース取引実績ができたということもあって500万円までなら可能」という回答がありました。
その結果、Bさんは手元資金を使うことなく「保証協会付き融資1,500万円+プロパー融資1,000万円+リース500万円」でファイナンスを組んで出店することができました。
AさんとBさんの違いは、今後の出店計画、つまりロードマップを具体的に考えていたかどうかです。Aさんは具体的にロードマップを考えておらず場当たり的に出店をすることになったので、1店舗目に安易に(比較的融資を受けやすい)保証協会の保証枠を使ってしまったので2店舗のファイナンスに苦労しましたが、Bさんは具体的にロードマップを考えていたので、保証協会の保証枠を残しながら、少しだけですがプロパー融資の実績を作ることで2店舗のファイナンスにつなげることができ、計画的にファイナンスを組むことができました。