マッチングプラス

飲食店の多店舗展開マネジメント

09 損益計算書のカベ
Profile 廣瀬 好伸(ひろせ よしのぶ)

公認会計士・税理士
株式会社ビーワンフード 代表取締役
飲食業に特化した「お金の専門家」として幅広くコンサルティングを行う。
飲食店経営者・店長向けに、セミナーや研修も数多く実施。
著書に『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル: 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』。

会社の投資効率が分かる「総資本経常利益率」

3. 総資本経常利益率
総資本経常利益率=経常利益23,254,194円÷総資本148,256,170円(前回のBSより)×100
=15.7%

投下した総資本(店舗への投資額など)に対して、どれだけの経常利益を生み出したかを表す指標であり、会社がどれほど効率的な経営を行なっているかを示します。
いわば、会社全体としての投資効率(投資とリターン)ですので、高ければ高いほど投資効率が良いとみなされます。

この指標は、無駄なもの(収益を産まないもの。たとえば、ゴルフ会員権や自家用車など)に投資すればするほど悪化しますし、(店舗への)投資が大きくなればなるほどそれに対するリターン(経常利益)が得られなければ悪化します。
投資が小さくてもそのリターン(経常利益)がそもそも少なければこれも悪化します。
要は、投資とそれに対するリターン(利益)のバランスを見ています。

ある統計データによると、居酒屋業態での黒字企業平均値は6.5%ですので、株式会社ABCは非常に優秀だといえます。
これは先ほどの売上高経常利益率が高いということと、そして、無駄なものに投資をしていない、かつ、過大に投資をしていない、「スリムな経営」が実現できていることによります。