マッチングプラス

飲食店の多店舗展開マネジメント

12 コスト管理のカベ
Profile 廣瀬 好伸(ひろせ よしのぶ)

公認会計士・税理士
株式会社ビーワンフード 代表取締役
飲食業に特化した「お金の専門家」として幅広くコンサルティングを行う。
飲食店経営者・店長向けに、セミナーや研修も数多く実施。
著書に『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル: 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』。

飲食店におけるコストとしては、やはり原価(仕入)と人件費が2大巨頭です。
どんなコストにしても、まず必要なことが「現状を把握する」ということです。
現状をしっかり把握した上で対策をうっていくことをせず、当てずっぽうで対策をうっていてもなかなか効果が得られません。
もちろん当てずっぽうでも「当たれば」その効果はあると思いますが、そのやり方では継続的に良い効果を出し続けることは難しいでしょう。

1 メニュー構成の現状は?

⑴ 各メニューの販売数が想定通りか(食べてほしいものが出ているか等)を確認します。

⑵ 想定通りでないとすれば、それを改善するための施策を考えます。

  • ① メニュー構成を再構築する
  • ② メニューブックを変更する
  • ③ 毎日の営業の中でその数字に近づくようなオススメ販売を行う

なお、原価率が高い場合だけでなく低い場合も注意が必要です。
たとえば、顧客サービス面で品質・ボリューム感・味などが低下している可能性があるからです。

いずれにしても、どのメニューが「どれくらいの原価率か」ということも大切ですが、「どれくらいの粗利額があるか」ということの方が大切です。
なぜなら、絶対額としての粗利額が多くないと最終利益は増えないからです。
決して「率」ばかりに注目しないことが大切です。