マッチングプラス

飲食店の多店舗展開マネジメント

12 コスト管理のカベ
Profile 廣瀬 好伸(ひろせ よしのぶ)

公認会計士・税理士
株式会社ビーワンフード 代表取締役
飲食業に特化した「お金の専門家」として幅広くコンサルティングを行う。
飲食店経営者・店長向けに、セミナーや研修も数多く実施。
著書に『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル: 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』。

5 家賃など、経費の節約は?

次に大きなコストとしては家賃でしょう。
これは「もう契約で決まってしまっているものだから変更できない」というものではなく、下げてもらえる可能性はあります。
ビルの集客力そのものが落ちている場合、周りの家賃相場より高い場合など、家主と交渉することで下げることができるかもしれません。
自分たちでその交渉を行えない場合は、家賃削減交渉を代行してくれる会社はたくさんあるので利用してみるのも一つの手でしょう。

その他、水道代については節水器をつけたり、電気代についてはLEDに変えたりといったコスト削減策も可能でしょうし、「無駄遣いをしない」といった心がけで運用することが何よりも大切でしょう。

クレジットカードの利用割合が高いお店では、クレジットカード手数料がばかにならないと思いますが、それも年々手数料率が下がる傾向にあるので、そういった交渉をされてもいいでしょう。
消耗品やその他の経費についても、意外と「最初に契約したまま」というケースが多いように思います。
“知らない間に”もっといい商品が出ていたり、もっと安い商品が出ていたり、といったことは多く、その情報量で大きな差が出てきます。

そもそも、各商品・サービスについて、あらためて(定期的に)相見積もりを取ってみるだけでもいいでしょう。そうすることで、新しい商品・サービスの情報が入手できたり、料金が下がったりすることもあるでしょう。
細かい経費でも、少しずつでも削減し、それを積み上げれば全然変わってきます。

以上のように、どんぶり勘定、当てずっぽうではなく、現状をデータなどで正確に把握した上で、ロジカルにPDCAを行なっていくことが大切かと思います。