マッチングプラス

失敗しない!出店ナビ
31 ピンチを脱するには、根っこにある問題を見極める

土屋薫氏

集客UP塾 塾長
日経レストラン「悩み解決クリニック」専任アドバイザー
個店・専門店等、中小規模の既存店の業績アップに数多くの実績を持つ

お店の売りを明確にする

『○○で困っています』といったご相談の場合の多くは、たいていそれだけではありません。
目に見えていない、深い部分に問題がある場合がほとんどです。
今回もまさにそういうケースでした。

このお店の特徴を簡単に説明すると、
“中華中心のフードをそろえた、お酒を飲ませるお店”といったところ。

しかし、とびきり人気のメニューがあるとか、一発で惹きつけられるサービスがある、というわけではありません。要は“売り”がはっきりしていないのです。
これではどれだけ目立つ看板を設置しても効果は薄いでしょう。

立地がいいということは、それだけ競争も激しいものです。
“売り”が明確でないお店が生き残っていくのは非常に難しいといえます。

私はオーナーに質問しました。

「お客さんに一番受けているものは何ですか?」
「料理に限らず、何か思い当たるものはありませんか?」

オーナーちょっと自信なさげに
「一応、餃子が人気なんですが…」

餃子が人気だが、看板メニューにするにはインパクトに欠ける 餃子が人気だが、看板メニューにするにはインパクトに欠ける

確かにこのお店は餃子の種類が豊富。
しかし、味も、ポーションも、盛り付けも、価格設定も普通。
出食数や料理別の売上などを詳しく分析する必要はありますが、看板メニューとはちょっと言えません。

「あと、強いて言えば、スタッフかなぁ…」

少し間があって、オーナーがぼそりとつぶやきました。