マッチングプラス

飲食店の多店舗展開マネジメント

08 貸借対照表のカベ
Profile 廣瀬 好伸(ひろせ よしのぶ)

公認会計士・税理士
株式会社ビーワンフード 代表取締役
飲食業に特化した「お金の専門家」として幅広くコンサルティングを行う。
飲食店経営者・店長向けに、セミナーや研修も数多く実施。
著書に『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル: 23の失敗事例から学ぶ「お金」の壁の乗り越え方』。

経営状態はどの指標で評価される?

前回の『決算書のカベ』の中で、決算書に基づいて銀行内で「格付け」され、その結果次第で融資が可能かどうかや融資条件が決まるというお話をしました。

格付けされる際、決算書をもとに、売上高経常利益率や自己資本比率といったさまざまな経営指標が算出され、その数値によって評価されることになるのですが、その経営指標の中には貸借対照表(以下、「BS」)から算出されるものが非常に多く、かつ、重要度が高いのです。
つまり、損益計算書(以下、「PL」)が良くてもBSが悪ければ、この格付けはなかなか上がりません。
一般的には「やはりPLの方を重視している会社」「BSが読めない会社」が多くいらっしゃいますが、それではなかなか会社としての財務力は高まりません。

では、このBSの中でどのような経営指標に基づいて評価されているのか、事例として4店舗を経営している株式会社ABCのBSをもとに見ていきましょう。