資金調達と投資のバランスを見る「固定長期適合率」
2. 固定長期適合率
【固定資産÷(固定負債+純資産)】=64.7%
これはあまり聞いたことがない指標かもしれません。
固定資産、つまり、店舗の内装や厨房機器や保証金といった投資は基本的には何年かにわたって投資回収していく。
こういった長期の投資は回収までに長期間かかるため、この投資に必要な資金も長期の調達(返済期間が長い固定負債やそもそも返済しなくてもいい自己資本)の方が望ましいですよね。このバランスを見ている指標です。
固定長期適合率が100%を下回る(かつ、それが低ければ低いほど)ということは長期の資金調達で長期の投資がまかなえているということで資金調達と投資のバランスは良いと見ることができます。
ある統計データによると居酒屋業態の黒字企業平均値は90.0%となっているので、株式会社ABCは良好な水準といえます。
逆にこの比率が100%を超えるということは、短期間で返済しなければならない資金で長期の投資をしてしまっている部分があるということです。
たとえば、店舗の投資回収に2年〜3年かかるとした場合、その投資額の一部を1年以内に返済しなければならない短期借入金で調達して投資をすれば、投資回収のスピード以上に返済のスピードが早くなって、キャッシュ・フローが厳しくなってしまう可能性が高くなります。